会社はいくらで売れる?中小企業の売却価格の決まり方
会社売却を考え始めた経営者が最初に気になるのは、 「自分の会社はいくらで売れるのか?」という点です。
会社の売却価格は、売上だけで決まるわけではありません。 営業利益、EBITDA、純資産、借入金、現預金、事業の安定性、買い手の評価によって大きく変わります。
会社売却価格は何で決まる?
中小企業のM&Aでは、主に次のような要素が売却価格に影響します。
- 営業利益
- EBITDA
- 純資産
- 現預金
- 借入金
- 顧客基盤
- 社長依存度
- 成長性
- 買い手との相性
特に重要なのは、安定して利益が出ているかどうかです。 買い手は、買収後にどれだけ利益を得られるかを見ています。
売上よりも利益が重要
「年商1億円だから高く売れるはず」と考える経営者は少なくありません。 しかし、実際には売上だけでは会社の価値は判断できません。
たとえば、年商1億円でも利益がほとんど残らない会社と、 年商5,000万円でも営業利益が1,000万円残る会社では、後者の方が評価されることがあります。
買い手にとって重要なのは、売上規模ではなく、買収後にどれだけ利益を生み出せるかです。
EBITDAとは?
会社売却価格を考える際によく使われるのがEBITDAです。 EBITDAは、営業利益に減価償却費などを加えた利益指標です。
中小企業の場合、簡易的には次のように考えることがあります。
たとえば、営業利益が1,000万円で、オーナー社長の役員報酬の一部を調整できる場合、 実質的な収益力は会計上の営業利益より高く見られることがあります。
中小企業でよく使われる評価方法
① 利益倍率法
中小企業の売却価格では、利益やEBITDAに一定の倍率をかけて企業価値を考える方法があります。
たとえば、EBITDAが1,000万円で、評価倍率が3倍なら、企業価値は3,000万円という考え方です。
② 純資産法
純資産法は、会社の資産から負債を差し引いた純資産をもとに評価する方法です。 不動産、在庫、設備、現預金などが多い会社では参考にされることがあります。
③ 類似会社比較
同じ業種や似た規模の会社が、どの程度の倍率で取引されているかを参考にする方法です。 ただし、中小企業では公開情報が少ないため、個別判断になることも多いです。
評価倍率の目安
中小企業の評価倍率は、会社の状態によって大きく変わります。
- 小規模で社長依存が強い会社:EBITDA 1〜3倍
- 安定利益がある会社:EBITDA 3〜5倍
- 成長性が高い会社:EBITDA 5〜8倍
- 赤字会社:個別判断
ただし、これはあくまで目安です。 実際の売却価格は、買い手候補の数、業種、市場環境、財務内容、交渉力によって変わります。
借入金と現預金も重要
会社売却では、企業価値だけでなく、借入金と現預金も重要です。
簡易的には、株式価値は次のように考えられます。
つまり、企業価値が高くても借入金が多ければ、株式価値は下がる可能性があります。 反対に、現預金が多い会社は評価にプラスになることがあります。
会社価値を高める方法
会社を高く売りたい場合、短期的な売上増加だけでは不十分です。 買い手が安心して引き継げる状態を作ることが重要です。
- 社長依存を下げる
- 利益を安定させる
- 継続収益を増やす
- 顧客集中を減らす
- 財務資料を整理する
- 不要な固定費を削減する
- 借入金の状況を明確にする
売却価格を下げやすい要因
次のような状態は、会社売却時に評価を下げる原因になります。
- 社長しか営業できない
- 売上が特定顧客に集中している
- 利益が不安定
- 借入金が多い
- 簿外債務や未整理の契約がある
- 決算書と実態が合っていない
まとめ
会社の売却価格は、単純に売上だけで決まるものではありません。
重要なのは、利益、EBITDA、借入金、現預金、事業の安定性、社長依存度、買い手から見た将来性です。
まずは自社の簡易的な売却価値を把握し、必要であれば利益改善や財務整理を進めることが大切です。