借金があっても会社は売れる?借入金がある会社のM&Aを社長向けに解説
会社売却を考えたとき、多くの社長が不安に感じるのが、 「借金がある会社でも売れるのか?」という点です。
結論から言えば、借入金がある会社でも売却できる可能性はあります。 実際、中小企業のM&Aでは、借入金がある状態で売却検討に進むケースは珍しくありません。
借金がある会社でも売却できる理由
会社に借入金があること自体は、必ずしもマイナスではありません。 設備投資、運転資金、成長投資のために借入を使っている会社は多くあります。
買い手が見るのは、単に借入金の有無ではなく、その借入が事業にとって合理的か、返済できる利益やキャッシュフローがあるかです。
- 安定した利益がある
- 毎月の返済に無理がない
- 借入の使い道が明確
- 設備や顧客基盤など資産形成につながっている
- 買収後も事業継続が見込める
このような状態であれば、借入金があっても買い手候補が検討する可能性はあります。
会社売却時に借入金はどう扱われる?
会社売却では、企業価値と株式価値を分けて考えることがあります。
たとえば、企業価値が5,000万円、現預金が1,000万円、借入金が2,000万円の場合、 株式価値の目安は4,000万円になります。
つまり、借入金は会社の売却価格を考えるうえで差し引かれる要素になります。 ただし、企業価値が十分に高ければ、借入金があっても株式価値が残ることがあります。
借入金が多いと必ず評価が下がるのか?
借入金が多い会社は、買い手から慎重に見られます。 しかし、借入金が多いからといって必ず売却できないわけではありません。
重要なのは、借入金に見合う収益力や資産があるかどうかです。
評価されやすい借入
- 設備投資によって収益が増えている
- 在庫や運転資金として必要性が説明できる
- 返済計画に無理がない
- 借入によって事業成長している
評価を下げやすい借入
- 赤字補填のための借入が続いている
- 返済原資が見えない
- 資金使途が不明確
- 借入返済でキャッシュフローが圧迫されている
- 社長個人の借入や保証関係が複雑
買い手が見るポイント
借金がある会社を買収する場合、買い手は次の点を確認します。
- 借入金の残高
- 毎月の返済額
- 金利と返済期間
- 保証人や担保の有無
- 資金使途
- 営業利益
- EBITDA
- キャッシュフロー
- 金融機関との関係
特に、買収後も返済が続く場合、事業から返済できるかどうかは非常に重要です。
社長保証がある場合はどうなる?
中小企業では、借入金に社長個人の保証が付いていることがあります。 会社売却を考える際、この社長保証の取り扱いは大きな論点になります。
買い手が会社を引き継いだ後に、社長保証を解除できるかどうかは、金融機関との協議が必要です。
売却交渉では、株式譲渡の条件だけでなく、社長保証、担保、金融機関対応も整理しておく必要があります。
借金がある会社を売却する前に整理すべきこと
借入金がある会社を売却する場合、事前準備が重要です。
- 借入金一覧を作る
- 返済予定表を整理する
- 資金使途を説明できるようにする
- 金融機関との契約内容を確認する
- 社長保証や担保の有無を整理する
- 月次のキャッシュフローを把握する
- EBITDAや営業利益を確認する
これらが整理されている会社は、買い手から見ても検討しやすくなります。
借金があっても売れやすい会社の特徴
- 利益が安定している
- キャッシュフローがプラス
- 借入返済に無理がない
- 顧客基盤がある
- 社長依存度が低い
- 金融機関との関係が良好
- 買収後の成長余地がある
借入金があっても、事業としての魅力があれば、買い手候補が見つかる可能性はあります。
借金がある会社の売却価格を考える
会社売却では、借入金は株式価値を考える際に影響します。
ただし、売却価格は借入金だけで決まるわけではありません。 利益、EBITDA、現預金、事業の安定性、買い手候補のニーズによって総合的に判断されます。
まずは自社の企業価値と借入金のバランスを確認することが大切です。
まとめ
借金があっても会社は売れる可能性があります。 大切なのは、借入金の有無ではなく、借入金を返済できる収益力と、買い手にとっての事業価値です。
借入金がある会社ほど、売却前に財務資料、返済予定、社長保証、キャッシュフローを整理しておくことが重要です。
「借金があるから売れない」と決めつけず、まずは会社の価値を把握することから始めましょう。